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オーストラリア移住の方法
Part1 VISA
Q:オーストラリアで生活(移住)したいという思いはあるのですが、何をどこから手を付けていいのかよく分かりません。
「生活」「移住」と言っても色々なパターンがありますが、ここではオーストラリア現地で生計を立てて住むということを中心にして話を進めたいと思います。
もし、生計を考えないのならば(現地で働かなくても良いだけの資産があるなら)
観光ビザでやってきて、更新の度に日本に帰国したり海外旅行したりすれば足ります。また、ハードルは高いですが投資家退職者ビザもあります。
→投資家退職者ビザについて(続きを表示させる)
このような場合、大事なのは日本で資金を貯めることだけで、それさえクリアすれば(それが大変なのだが)ビザ取得自体は難しくはないでしょう。また、オーストラリアに来てから必要となるのは、いかに生活をエンジョイするかであり、それは生活体験マニュアルなどのコンテンツをご覧下さい。
以下、法的にも現実的にも最もネックになるであろう 現地で適法に働く という点に焦点を絞って書いていきます。
さて、移住プロセスが完了するには、
①、いかにして日本から離れるか(→意思決定、退職、親族関係、年金その他の公的処理)
②、いかにしてオーストラリアに適法に滞在するか(ビザの問題)
③、いかにしてオーストラリアで生計を立てるか(就職・起業・資産運用の問題)
という、大きな3本柱があります。
(1)については、各自それぞれにダンドリをたてて戴くとして、一般に問題なのは(2)と(3)でしょう。順次書きます。
もっとも、個人的には一番大変だったのは(1)でした。特に仕事関係で、数十件もの継続案件を抱えながら徐々に整理し、引き継ぎうる状態にもっていくのに、やっぱり1~2年くらい掛かりました(最初は絶対無理!と思ったくらい)。
第一の関門 : VISA(ビザ)
ビザというのは入国許可証のことで、その国に入る入場券みたいなものです。
まず、ビザの大原則を知ってください。
原則としてその国に利益をもたらす人にしかビザは与えられない
ということです。
利益の度合が明確で直接的なほど簡単にくれます。観光ビザのように「お客さん」の場合は、現地に金を落としていくだけの福の神のような存在ですので、「いらっしゃいませ」と非常に簡単にくれるわけです(ETASという形で簡略化されてます)。同じように、留学などの学生ビザについても、授業料というお金を落としてくれるわけですから比較的簡単ですね。なお、オーストラリアの場合、海外からの留学生というのがドル箱になっており、盛んに広報活動を展開しています。
逆に「来ないで欲しい」と言われているのは、その国に不利益をもたらす人達です。
どこの国でも同じですが、端的には地元民の職や公的秩序を乱す不法移民であり、不法就労者。西ヨーロッパ諸国なんか年がら年中この問題で紛糾してますが、ドドドと低賃金の外国人労働者がやってくるので現地の人間は職に就けないから問題だというわけです。さらに、時折センセーショナルに書き立てられるのが、「福祉狙いの偽装家族」のようなパターンで、一人に永住権を与えてしまえば、その人間を頼って親類縁者(と称する者)が大挙して押しかけ、彼らにも永住権は与えられますし(ファミリー・リユニオンなど)、永住権保持者には失業保険その他の公的扶助が与えられますので(これが結構手厚い)、「福祉金をタカりに来てる」「入管過ぎたら失業保険事務所に直行」などという表現で言われてたりします(多分にオーバーで下世話な報道なのだが)。しかも、オーストラリアの場合、デ・ファクト(籍は入れてないけど事実上の婚姻関係)というカテゴリーがあったりするから、永住権/市民権保持者が配偶者として名前だけ貸すビジネスやらその手続を請け負う業者やらがいるらしいです。
上記は極端な例ですが、オーストラリア当局から見れば、「オーストラリアで働きたい」という人は潜在的に上記の危険があるわけです。つまり、国民の職を奪うという問題と公的扶助のタダ乗り問題。だから「ダメ」というのが基本的な姿勢です。で、本来ダメなんだけど、一定の範囲で「限定解除」しましょうとなっているわけで、ビザの交付条件というのは限定解除条件でもあるわけです。
限定解除項目(各種ビザのカテゴリー)は、上にあげたリスクがないことをどう証明するかによって決まってくるのでしょう。
ビザの原理原則を知ること
原理原則論は、即戦力やリアルタイムの情報ではないのでまどろっこしい思いを持たれるかもしれません。しかし、原理原則を理解している方が結局は役に立ちます。数学でも、出来ないヤツ(僕ですけど)に限って公式をベタ覚えしようとするけど、本当に出来るヤツはその場で原理から公式を導き出せます。「なんでそうなるか?」を知ってる人間は間違えない。
ビザでも同じ事です。リアルタイムのポイント計算がどうのというのは、数あるサイトで幾らでもできますが、そこで仮に結論が出たとしても、ビザの規定なんかしょっちゅう変わってるから、明日もその計算でいける保証なんか何処にもないです。とりわけ永住権は思い立ってから現実にゲットするまで、早い人でも数ヶ月、平均すれば数年がかりのプロジェクトになります。したがって今日現在しか通用しない情報を断片的に得ることは、一見実戦的に見えつつ、ぜーんぜん実戦的ではないです。原理を知っていれば、応用も自由自在にきくし、また予想もかなり的確に立てられます。こっちの方がずっと実戦的です。
ということで、「なぜこういう条件だと永住権をくれるのか?」「なぜこうも規定がコロコロ変わるのか?」という原理部分に力点を置いて書きます。
そして次章以降では、「永住権や移住など、あなたが幸福になるための数ある手段の一つに過ぎない」という大局的視点を書きます。永住権ゲット=成功なんてほど人生はシンプルな○×ゲームではない。事実、苦労して永住権を取ったはいいけど、しばらくして日本に帰る人もまた沢山います。でもって帰国したら失敗かというと、又そういうものでもないです。永住権という「はじめに手段ありき」という発想からスタートすると、容易に「手段の目的化」という失敗パターンにハマりがちです。「五目並べだと思いこんでいたら、実は囲碁だった」というゲームの本質の誤解は避けるように。これは「永住権を取りましょうゲーム」ではないです。「あなたが幸福になりましょうゲーム」です。
★技術独立永住権(Skilled Independent Visa) とポイントテスト
永住権の種類は、事業関連、雇用主指名、スポンサー付技術独立、州スポンサー付、地方都市、配偶者、親族呼び寄せ、、などなど、様々な種類があり、また時とともに目まぐるしく変わります。
しかし、数ある永住権の中でも、雇用者や自治体などスポンサーがなく、呼び寄せてもらう親族もおらず、お土産にもっていく事業などもなく、純粋に独立独歩、裸一貫で勝ち取る王道の永住権がこの技術独立永住権(Skilled Independent Visa)です。
「若くて、英語もできて、職にも困らないだけの技能を身に付けている者」であることが証明されれば、オーストラリアにそれほど迷惑はかけないだろうし、起業して現地の人間を採用してくれるかもしれないから、まあ良いでしょうということで与えられるカテゴリーです。5年毎に更新手続きするだけで、あとは「勝手にやんなはれ」でうるさく干渉されず、誰の顔色を窺わなく済みますので、取れるものなら取りたいビザです。
しかし、それだけに取るのは難しい。①年令点、②英語点、③職業点の3つの観点から点数をはじきだし、総合○点以上なら合格というポイントテスト方式になってますが、総合ボーダーラインや各種の配点が猫の目のように変わるわ、この世に無数にある職業をいかにランク付けするかの職業点配点がブラックボックスになっているわで、「これなら大丈夫」という判定は専門の業者さんでもないと中々予想がつかないです。一応目安となる職業リストもありますけど。
ただ大筋の傾向として言えるのは、(1)学歴に制限はないものの実際には高卒より上の資格がないとダメ、(2)実際に職務経験がないとダメ、(3)18歳から49歳までの年齢にあり、(4)職業点の採点は、役職名ではなく具体的に何をやってきたかという実戦スキルが重視される、(5)唯一短時間の努力で向上できるのが英語点でIELTSテストで6.0以上はマスト(出来れば7点が欲しい)、などです。ただこれも色々細かな「ボーナスポイント」やらの修正があります(後述)。
永住権のボーダーラインは、ほぼ一貫して難しくなっています。僕らのとき(1995年取得)は100点で、今から思えば「牧歌的な時代」でした。さらに昔は現地で観光ビザに切り替えようとしたら、係官が間違えて永住権を印刷してしまい「いいから、貰っておきなよ」という超牧歌的な”伝説”も聞いたことがあります。そんな「おとぎ話」は遠い昔のことになり、100点のボーダーがドンと115点に上がり(途中一回110点まで下がったが、また115点になり)、そして2006年3月以降なんと120点まであがりました。115点にしたときも「難しすぎて非現実的」と批判されて下げたくらいなのですが、オーストラリアは移民先として世界的に人気が高いので、ボーダーを上げてもそれでもやっていけるということでしょう。BRICsの躍進など世界の人々の教育水準や就職機会が増えるにつれ、ハードルを上げても上げても、それでも優秀な人々は掃いて捨てるほどいるということです。まさにメガ・コンペティション(大競争)の時代です。
そして、2011年7月からは新しいポイントテストが施行され、さらに2012年7月からはスキルセレクト制度が導入されています。
内容は後述しますが、職業点のカウント方法が大幅に変わったので、ボーダーもガラリと変わって60点になってます。また、年齢点が若干ゆるくなる反面、英語点がさらに厳しくなりました。上に即して言えば、(1)学歴については基本的には同様、(2)職務経験の重要性が以前よりも高くなり、(3)18歳から49歳までの年齢にあり、(4)職業点の採点は、役職名ではなく具体的に何をやってきたかという実戦スキルが重視される、(5)英語点でIELTSテストで6.0以上は最低限の条件になり(それ以下だと申請すら出来ない) 、色々細かな「ボーナスポイント」やらの修正があるのは同様です。
僕もこれまで、十数人、あるいは何十人という永住権取得者 or 希望者の方とお話ししてきましたが、やっぱりそれなりに皆さん苦労されています。若くて+十分スキルがあって(しかもオーストラリアで評価されて)+英語力バッチリという”三冠王”も、いないことはないですけど、少ないです。なんせスキルを身に付けるまでに若くなくなってしまうし、スキルを身につけている間は忙しくて英語を勉強しているヒマがなかったりします。かといって、留学して英語をやってるうちに、スキル点が無くなってしまうとか(例えば過去○年中○年その職業に従事していること、などという条件もあったりしますから)、あちらを立てればこちらが立たずというのが基本的な状況だと思います。
ちなみに僕らの永住権取得体験記(かなり昔の話ですけど)については、生活体験マニュアルのコラムに書いてあります。
2015年07月更新時の追補
2015年7月の新会計年度になって移民局の呼称が変わり、さらにURLも思いっきり変わってしまって、もうリンクがズタズタです。リダレクトもしてくれてないし。いろいろ調べなおしていたのですが、肝心の移民局のサイト内部でもリンク切れがあったりして、まだ整理するのは早過ぎるって気がします。
でもせっかくですので、現時点で気づいたことを多少書きとめておきます。後述の新ポイントテストもスキルセレクトとEOIシステムもほぼ定着したようですし、永住関係のビザの流れも徐々に整ってきているようです。
なお、こういうのは本家よりも出来のいいサードパーティのサイトの方が良かったりするのですが、例えばここなどの方が、本家よりもよっぽど綺麗にまとめてくれています。英語版ですけど、永住権狙うならこのくらい読めなきゃ話になりませんので。
移民局の方で永住関係のビザを一覧表にしてまとめてくれてますので、キャプチャーして整形して、適宜日本語訳もつけて以下に示します。本来の頁は、Skilled visas for Australia comparison chartsにあります。
永住関係ビザ関係の比較表 2015年時点
表がダラダラと縦長なので半分に切って並べましたが、それでもデカイので小さく表示させてます。クリックして大きくしてみてください。
大きく2つに分ければ永住権リーチかけられる189(独立永住権)、186(雇用者指名)、187(地方指名)、190(政府指名)の各永住権と、それに至る前提段階である最大4年までの暫定ビザである457、489ビザにわかれるでしょう。189独立永住権は王様みたいなリーチ一発系ですけど、それだけに条件が厳しい。これが難しいなら、186-190あたりを模索し、さらにすぐには無理なら457や489でチャンスを伺うという感じになるでしょう。
この表だけ見ててもなんのこっちゃ?って思われるでしょうが、あとは後述の各項目を見ていってください。
簡単に書いておくと、スキルの範囲にSOLとCSOLがあります。SOLは"Skilled Occupations List(技術職業リスト)"でCSOLはそれに"Consolidated"がくっついて付帯エリアも含みます。実戦的にいえばSOLは少しだけ、CSOLは沢山です。沢山ある方が攻めやすいのですが、その代わり州政府や雇用者にノミネートやスポンサードしてもらう必要があります。ANZSCOというのはオーストラリアとニュージーランドに共通した職業リスト(四桁の統一番号が振ってある)です。
一般論としてみると、地方(リージョナル)にいくと緩くなりますよね。要するに地方活性化であり、田舎の村おこし目的です。田舎といっても、オーストラリアの場合、シドニー周辺(New CastleとWoollongong含む)、メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト以外は全部田舎扱いですけど。職業リストでも人気のある職業は応募者も多いし競争率も激しそうです。逆に手の職系の現場仕事は後述の受け入れ予定人数(シーリング)も大きい。
これは何を意味するかといえば、地元オーストラリア人に人気の職業やエリアは、もうオージーで埋まってるから移民に来てもらう必要もないわけけど、逆にオージーに不人気なエリアや職業は狙い目だってことですね。だから地方の、手に職系を狙っていくと、条件もそれだけにゆるくなっていきます。職業リストの範囲も、英語レベルも、ひいては50歳という年齢ですらも例外的に認めましょうなんて余地も残しているくらいですから。
前提段階となるビザでよく使われるのが「457ビザ」でしょう。
これはいわゆるビジネス(労働)ビザですけど、オージーだったら誰もがスポンサーになれるわけでは勿論なく、スキルエリアも限定があり、最低でも年収約540万円払い、英語(IELTS5で良いけど~ちなみに英語テストはIELTSのほか、TOEFLiBT、OETそれにケンブリッジ試験も入りました(ただしFCEではなくCAE)。Which English language tests are accepted by the Department?参照。
これだけでも結構たいへんなので、さらにその前提段階があります。
Temporary Work (Short Stay Activity) visa (subclass 400) ~3ヶ月まで
Temporary Work (Long Stay Activity) visa (subclass 400) ~2年まで
Training and Research visa (subclass 402) ~2年まで
Special Program visa (subclass 416) for the Seasonal Worker Program ~4-6ヶ月
Graduate visa (subclass 485) ~18ヶ月 or 2-4年
これらのビザは、期間が短い分だけ取りやすく、次のステージに進むためのステップストーンに使われるのですが、進めなかったらそこで終わりでもあります。また、低賃金の外国人労働者を搾取する場合に利用される場合もあり、年がら年中新聞ネタにもなってます。例えば”Dodgy employers investigated over 'exploitation' of 457 visa holders”など。
ポイントテストそのものは、下記の2011年改正時から2015年現在まで変わってないようです。これもわかりにくいので、サードパーティのサイトで見た方がよっぽどわかりやいすです(例えばここ)。
2015年07月に15-16年のOccupation Ceilings=職業別受け入れ予定人数(詳しくは後述↓)が発表されています(Skill Selectメイン頁の"Occupation Ceilings"というタブ。これを見てると、移民局が何を考えているかが大体わかると思います。需要の高い職種はシーリング(受け入れ予定数)が多いし、そうでない職種はぼちぼちです。
ところで、この分析をしているビザ代行業者さんのサイト(英語)があって、2015-16 Occupational Ceilings for Skilled Migration Released、非常によく分析されています。去年どれだけ採用されたか(invitarionをもらって永住権ゲットできたか)まで書かれていますし興味深いです。よく見ていくとシーリングは沢山あるのに数%しか埋まっていない職種も多いです。例えば自動車の電気関係の技術者は1000人枠なのですけど実際に採用されたのはわずか7名。ナースはシーリング1万人を超える巨大エリアですけど、採用されたのは20%以下です。Production Managers(生産管理者)なんか、3000人の採用枠にわずか4人です。
なお、今年度のトピックは、会計士が半減(5478→2525)でしょう。シーリング100%採用率なんだけど、「もう要らん」ってことでしょうか。IT系もシーリング100%でフル採用なんだけど、それほど減らされてはいません(微増もある)。でも応募者が殺到しているってことで狭き門ではあるのでしょうね。
総じていえば、「いろんなルートがある」ということですが、自分のキャリアと希望に応じて、どんなルートがありうるのか?これは専門家(ビザの代行業者さん)に相談したほうが早いでしょう。これ、複雑すぎて分かりにくいですから。
それ以上に、「実際の所どうなの?」という現状の問題があります。
例えば上に述べたシーリングでも、1000人予定になっていながら、実際に採用(invitation)されている人は非常に少ないケースもあります。これをどう読み解くか?です。応募者が全然居らずに手をあげたら即当選できる楽勝エリアなのか、それとも応募者は沢山いるけどスポンサーになってくれそうな人が全然いないから見込みのないダメ職種なのか、もう天地の差があります。このあたりの実情チェックも要るわけで、こればっかりは労働市場やビザ給付状況をコンスタントに見ている人でないと分からないと思います。
2011年7月から施行されている新方式について
2010年11月に永住権審査の新方式が発表になりました。施行は11年7月からです。今回の改訂はかなり抜本的なものです。基本コンセプト(オーストラリアにとって有為な人材を求める)は変わらないのですが、その採点方式がガラリと変わりました。
→続きを表示させる
2012年7月から施行されている新方式=SkillSelcet~”招待状/予選システム”について
Skill Selectのオフィシャルページ
2011年7月に永住権の合格ボーダーの変更をし、2012年7月から「審査のやり方」に関する手続規定が変更されています。
これまでは、まず永住権申請のための必要なポイントを稼ぎます。やれIELTSを受けて6点以上の証明書をゲットするとか、これまでの仕事の証明書を揃え、それを審査してもらうとか。で、必要なポイントまで揃ったら、全部添付して申請=「リーチをかける」わけです。ところが、新システムになると、リーチをかける前にもう一つステップが増え、オーストラリアにおいて自分が就業を希望する(自分の職歴キャリアに関連する)エリアを選定し「ココでお願いします」と申し出ることになります。
この申し出のことを、Expression of Interest (EOI) と命名されてます。「興味があることの表明」です。これはインターネットで申請します。そして各職業エリアで審査が行われ、「うん、この人はいいな」と目に止まった人に、invitation(招待状)を発行します。もっともこれはコンピューターのプログラムでランキングをつけていくそうで、個々の移民局の職員が手作業でやるわけではないと書かれています。そして首尾良く招待状をゲットした人だけが、次のステージ(永住権の本申請)に進めるというわけです。言わば本選に入る前に予選・予審があるようなものです。
なお、雇用者指名永住権や州政府スポンサー永住権申請者のデーターについては、オーストラリアの雇用主や州政府はアクセスして見ることができ(自分のスキル情報の公開の指定はできる)、さらに「この人が欲しい」となれば直接コンタクトを取ることができるそうで、この人材市場というか、お見合いみたいな点も新システムのハイライトの一つらしいです。要するに、移民局がおおきな「人材センター」になっていくようなものですね。
それだけっちゃそれだけのことなのですが、これ、よく考えると結構キツいです。幾つかのポイントを挙げてみます。
カテゴリーは細かく9つくらいに分かれますが、特に顕著なビジネス実績(Business Talent)、資金と起業計画がある(Business Innovation and Investment)など特殊な事情がなければ、スポンサー or ノミネートを得ないと永住権をゲットしにくくなりました。既にオーストラリア政府というスポンサーがいる人=Skilled - Nominated (subclass 190) と、いない(これから見つける)人=Skilled Independent (subclass 189) に大きく分かれますが、いずれにせよスキルセレクトに「参加」し(Expression of Interest)、「招待状」(Invitation)をゲットしないと、永住権の申請(アプライ)すらできません。てか、招待状をもらうかどうかが事実上の天王山になるでしょう。
そして、この「招待状」がクセモノです。
このEOI(興味あります表明)にネットで応募すると、あとはその集団にプールされ、移民局の審査待ちになります。審査される有効期間は2年間らしいのですが、今どの辺をやってて、自分はどのあたりにランキングされていて、あとどのくらい待たねばならないか全くわかりません。宅配便のようなトラッキングシステムは無い。また必ずしも先に応募した人が優先するものでもなく、ある程度数がまとまった段階で定期的にやるようです、キャリアやオーストラリアでの就職可能性やモロモロを総合的に判断してOK!という人から順に招待状を発送するのでしょう。また、各職業エリアにおいて枠があるようで、枠が満杯になったらその年度はそれで終わりになるそうです。で、選に漏れたらまた列の後に廻され、2年の間、じっと招待状が届くのを一日千秋の思いで待ち続けるという。
2012年8月、施行後最初のEOIラウンド結果が発表されました。"Round 1 August 2012 Results"を見ますと、最初ということもあり最も審査が簡単な最優秀グループ100人でした。しかし、これ凄すぎちゃって参考にならないというか、ポイントスコアのボーダー60点でも取るのが至難の業といわれているところで、85点をとってるバケモノみたいな人々が5人もいます。最低でも75点です。25-32歳で、学士号持ってて、IELTSで8点取れて(てかもともとイギリス人など英語が母国語で)、SOLにある職業でオーストラリアで8年以上の職歴があってようやく85点ですか?多分彼らはその気があったら数年前に余裕で永住権取れている筈です。最近になって気が変わって応募したみたいな感じなんでしょう。だから「凄すぎて参考にならない」のですが(ちなみに以後75点、70点、60点、、と下がってきて、2013年3月のラウンドでは60点が最頻値になっており、以後2013年11月18日まで順次見ていくと、たまに65点が最頻値になる場合もありますが、大多数は60点が最頻値ですね。ちょっとほっとしたりして。あんな85点なんてオリンピックレベルの点数が基準になってたら気が遠くなりますからね。)
Skill Selectのメイン頁の”Invitarion Rounds"タブを開くと、現在のラウンドとその次、さらには直近2年くらいの全てのラウンドの結果が表示されます。このあたりの情報公開はすごいなと思いますね。ずっと見ていくと、大体の傾向がわかると思います。
Occupation Ceilings
同じくメイン頁の"Occupation Ceilings"というタブがあります。シーリング=天井=どの業/職種にどの程度の人員を割り振るかという一覧表です。年度内にその職業に割り振れた人数に達したら、もうその年のその業/職種は受け入れないということですね。
ばっと見た限りでは圧倒的に手に職系が強いです。大工、配管工、電気業者などは8000人前後のシーリングですが、ホワイトカラー系はほぼ全滅に近いくらいです。ITとかアカウンタント(会計士)は人気なのですが、応募人数が多すぎて特別扱い(プロラタでやる=配分比例)とか書かれているくらいです。
ただし結論的に言えば、「これだけでは分からない」です。本当にどこが狙い目かを知りたかったら、あともう二つの数値がほしいからです。すなわち、その業/職種にどのくらいの人が応募しているかという応募者数、そして実際のその業種で合格するときのポイント数も知りたいです。つまり、「狙い目」というのは、①受け入れ人数シーリングに余裕があって、②実際にもボコボコ合格していて、③応募者数が少なくて競争率が低く、④合格のためのハードルの絶対値が低いところなのでしょうけど、この表では①はわかるけど、②③④はわかりません(以前は②の実績もあったんだけど、見当たらなくなった)。このあたりは、やっぱり専門の代行業者さんに「潮の流れ」を聞いた方がいいかと思います。
さもないとシーリングは高いわ、合格者は多いわである業種を目指したとしても、同じように考えている応募者が膨大にいたら、実質的競争率は非常に高いわけです。逆に、シーリングは低いわ実績は低いわであっても、他の応募者が少なかったら競争率が低いから、意外とひょいととれてしまうかもしれない。
ということで決定的なことはわからないのですが、しかしそれでも、これまでの職業リストが単なる職種の羅列だったのに対し、これは実際の数値も書いてあるので、どの業種がどれくらい需要があると認められているか、そして実際のどのくらい早さでどのくらい埋まっていくか、継続的にじーっと見てると、なにごとかが見えてくるかもしれません。見えてこないかもしれないけど(^^)。でもデーターは多ければ多いほど良い。しかし、よくこんなところまで全世界に情報公開するなって感心しますけど。
と、まあ、こんな感じで上から順に招待状を発送していくわけで、2年待っても自分の番まで回ってこなかったらパーです。またやり直しという。
移民局の説明文だと 「These skilled workers and business people can then be found and nominated for skilled visas by Australian employers or state and territory governments, or they might be invited by the Australian Government to lodge a visa application.」 (これら技術労働者やビジネス移住希望者は、オーストラリアの民間雇用主あるいは州政府によって技術系ビザのために見出されうるし、あるいはオーストラリア(連邦)政府によって招待されるかもしれません」となっています。「されうる」とか「かも」という表現で、確実性に欠けるのです。
そしてまた、FAQコーナーでは、「There is no guarantee that submitting an EOI will result in an invitation to apply for a visa.」(EOIに参加したからといって招待状を得られるという保証はありません)とハッキリと書かれています。
もしあなたが、上の人々のように破格の高ポイントを挙げられるなら余裕で待っていたらいいです。しかし、ボーダー60点ですら四苦八苦というのが多くの実情でしょう。だとしたら、単にエントリーして待ってるだけだったら、後から後から自分より優秀な連中が参加して追い抜かれていき、結局2年経ってもお呼びがかからないという悲しい可能性もあります。
このスキル・セレクトは、手続的には、永住権申請→交付までのプロセスにおいて、新たに一つ手続(招待状)が増えただけのことですが、より本質的意味の変化としては、それまで「入試」だったものが「就活/ドラフト」になったようなものだと思います。
これまでのポイントテスト「だけ」の場合、いくらハードルが高かろうが地味にコツコツとポイントを積上げていけば、ほぼ自動的に永住権は取れました。ところが今度のスキルセレクトは、ポイントだけ積上げても永住権が取れる保証はない。
だとすれば対抗策としては、①よりポイントを積みますか、②ポイント以外のバイパスを狙うかです。そこで出てくるのが、スポンサー(民間の雇用主)/ノミネート(政府)です。ノミネートを受ければ、それだけでもポイントが加算されますし、民間や政府の「目に留まる」ことが出来れば、リージョナル永住権や就労ビザ→雇用者指名などの道も開けます。そして、就労ビザや雇用者指名、つまりスポンサーをガッチリつかまえた場合には必ずしもポイントに縛られないという強みもあります。
そして①②は相互関連します。同じ事だと言ってもいい。企業や政府の「目に留まる」ためには、それだけ魅力的な職歴実績、特にオーストラリアで現にガンガン働いているというリアルな状況を構築した方が有利ですから。また稼働実績があればポイントも高くなるし、スポンサー/ノミネートもされやすいし、ノミネートされればまたポイントも加算されるという相互関係になるわけです。
ということで、これはもう合格点だけ取れば良い「入試」ではなく、実際の稼働状況=そのためには「出会い」「チャンス」というファジーな要素満載の「就活」や、指名を得る「ドラフト」のような性格をいやおうなく帯びてくるということです。
これをブレイクダウンして、より身近に置き換えて表現すれば、「とりあえずオーストラリアの大学を出てポイント稼いで、それで~」という、これまであった「エスカレーター的なメソッドの消滅」です。いくらどう頑張ってポイント稼いでも、破格の高得点を稼げない限り、最後にはオーストラリア政府や民間企業の「目にとまる」というファジーな工程をクリアする必要が高いからです。また、単に卒業しただけでは、そこまで破格な高得点にはならない。
そしてこれはエージェントさんにお任せ的なパッケージの消滅も意味します。エージェントさんには正しくビザ申請の専門代行サポートをやっていただけるわけだし、さらに複雑化専門化した永住権申請にはより力強い相棒になってくれることでしょう。しかし、それだけでは足りない。彼らは同時に人材会社でもあったりするから、頑張ってスポンサー先の会社を探してくれたり、現在の就職状況なども教えてくれるでしょう。しかし、オーストラリア現地の日本人社会など微々たるウェートしか占めませんし、あらゆる職歴/キャリアの人々に100%職を手配するなど、誰の手にも不可能だと思います。
ということは、コツコツ英語を勉強するなどでポイントを積上げると同時に、自分で現場でレジュメ(履歴書)配って奮闘するなど「いい出会い」をゲットした方が成功確率はグッと高まるということです。そして、これが出来なければ、結局、永住権取ったあとの生計も立ちにくいのですから、要はより実質的になっただけとも言えます。
以上は、移民局の公開ページをあれこれ読んだ上で、僕個人が勝手に「多分こうなんじゃないかな」と書いているだけのことです。あまり鵜呑みにしないで、自分でも調べてください。かなり複雑なシステムな上に、はじまったばかりで刻々と運用も変わるでしょうから、それだけに専門家の意見を求めてください。素人の手に負えるようなもんじゃないです。
招待状システムは、単に、スポンサー探しなどの現場奮闘ファクターが入っただけではなく、種々の点でハードになっています。そしてまた、本当にこれでちゃんと作動するのか?という疑問もなきにしもあらずです。
→さらに続けてあれこれ検討しました。続きを表示させる
2012年7月施行の新方式とビザ・サブクラス統廃合と新ポイントテスト改
前述のように、2011年7月新ポイントテスト、1年のタイムラグで2012年7月スキルセレクト方式(招待状方式)が導入されるわけですが、これにともなって若干のマイナーチェンジ(というか永住ビザシステム改正の仕上げ)がなされました。
といっても実質的にはそう大きく変らないのですが、見たところ2点あります。
①、ビザカテゴリー(サブクラス)の統廃合
②、セレクト方式施行下におけるポイントテストの内容
サブクラスの統廃合
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ポイントテストの微修正
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ポイントテスト比較
なお、リアルタイムでのポイントテストの詳細は、例えばサブクラス189(独立移住永住権)の場合は、Skilled Independent visa (subclass 189)と、各ビザの説明の頁に書かれています。
猫の目のように変わる規定
永住権取得の条件は、時の政策判断でコロコロ変わります。これはもう本当に「いい加減にしろ」と言いたくなるくらい変わります。
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プロの助力の必要性定
永住権取得というのは、水上スキーをやりながら水上の標的を射撃するようなもので、自分も揺れてるし、マトも揺れているという、かなり流動性が激しいものです。それだけにリアルタイムの情報、それも徹底的に正確な情報を確保しておいて下さい。出来れば将来予測も欲しいです。原理原則という全体像を把握した次は精密なデテールです。大きな戦略(発想)、緻密な戦術(実行)。大きな戦略眼が必要なのは、ゴールまでの道筋で事情変更があっても柔軟機敏に対処できる「ふくらみ」のあるプランが立てられるからです。そして実行にあたっては、ミリ単位に精密な設計図が必要です。
具体的には、専門のプロの方にしっかり査定してもらうべきでしょう。
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★雇用者指名永住権
ワーキングビザのようでありながら永住権であるというわかりにくいカテゴリー。まず特定の雇用者に雇われるという意味ではワーキングビザに似てるのですが、雇用者が「この人でないとダメ!」「他に代替のきかない人材である」と主張立証するパターンです。ワーキングビザが「不法就労じゃないよ」という程度の消極的な立証であるのに対し、こちらは「代え難い有能な人物」という積極的な立証という点で違います。この積極的な立証が、インディペントの職業点立証の代わりになるようなものなのでしょう、「そこまで有能な人材だったら居ていいよ」ということで、永住権が与えられるのでしょう。
永住権ですから、指名してくれた雇用主から首になっても退去する必要はありませんし、2年なんたらという期間制限もないです。そこまで見込んで指名してくれた雇用者がクビといえば、その時点で失効しちゃう方が道理が通ってるようにも見えるのですが、そうならないのは、それが有能性の一般立証だからでしょう。一人の雇用者をそこまで言わせるほどに有能ならば他の会社にも容易に就職できるだろうということ。実際、単に指名しただけでは足りず、雇用主は一定期間、公の場で求人広告を出す必要があり、「公に募集したけど、やっぱり、これが出来る人材はオーストラリアの労働市場にはいませんでした」という事実立証もしなきゃならないわけです。逆にいえば、雇用者としてはアレコレやらなならんことがあって、面倒臭いビザでもあります。
ただ、このカテゴリーも、永住権=就活という大きな流れの流れのなかで、スキルセレクトの一カテゴリーとして位置づけられています。
これまで Employer Nomination Scheme (Subclass 121/856)だったのが、スキルセレクトのEmployer Nomination Scheme (subclass 186)になっています。
★その他の永住権の種類
その他永住権の取り方としては、地方スポンサービザというのがあり、言わば独立移住の補欠入学みたいなものです。オーストラリアの中でも比較的地方で、人口を増やしたいエリアに2年以上住み、ちゃんと仕事もしていたら、永住権申請を認めるという、オーストラリアの過疎化対策として認められているビザです。これにもいろいろ制約はあり、オーストラリアの学校に通うか、一定の職業経験があるかどうか、年齢、そして当然ながら英語点、さらに各自治体にスポンサー申請をしなければなりません。
ご自分で事業を経営されてる方は、事業者移住ビザもあります。ただしこれは一種の「企業誘致」のようなもので、個人資産数千万とか年商1億とかかなりハードルは高いです。
以上は経済系の永住権(経済的利益をオーストラリアにもたらすという観点から認められる)ですが、それとは全く関係なく、人道系の永住権もあります。端的なのは、「家族がバラバラに暮すのは可哀想」ということから、家族の誰かがオーストラリアで永住権を取ったこと、あるいはオーストラリア永住権保持者と親族関係になること(国際結婚など)による家族移住というパターンですね。
このように永住権の種類は山ほどあり、それらが細かく規定され、且つ年がら年中改正されているので、僕もよく分かりません。というか専門家でないともう分からないと思います。上記は一応の概略まで。
★永住権以外で、オーストラリアで働くビザ/ビジネスビザ
この点についてはややこしいです。就労ビザと永住権の関係が、かつてないくらいニアリーな存在になっています。
詳しくは、→シドニーで仕事を探す方法第5章:就労ビザという迷宮をご参照下さい。
以上がビザの概要ですが、ビザといっても実は100種類以上あるらしく、本当はこんなものではないのでしょう。また個別的な解説や類型も刻々と変化していくでしょうから、あくまで目安としてお考え下さい。
ただ、物の考え方としては、労働ビザのような一時滞在ビザと永住権のような永住ビザの二種類があるということ(ビザ申請の結果がでるまでの間、滞在許可されるブリッジビザという過渡的なものもありますが)を押さえておいて下さい。そしてテンポラリー(一時滞在)かパーマネント(永住)かの違いは、単に有効期限の差だけではなく、所得税の税率、メディケアなどの国民健康保険の加入資格、年金などの公的扶助の受給資格その他で結構大きな差があります。永住権保持者の場合、選挙を除いてほぼ国民と同じように扱われますが、テンポラリーの場合はなかなかに厳しいです。
あと、ビザについて総じて言えることは、英語条件が年々厳しくなっていることです。これだけはハッキリ言えると思います。どのような永住権でも、IELTS(という英語試験)5点は必要ですし、一般的には6点、さらに7点取るとボーナスが貰えるから7点は欲しいです。大学入学資格でも7点とか7.5点とかとんでもなく高いハードルの学部もあります。しかし、僕の知り合いも職業的にはバリバリ成功しながらも、IELTS5点がついに取れないまま日本に帰国した人もいます。5点ですらもそれほどまでに難しい。6点だったら普通の語学学校で最上級クラスまで行ってください。IELTS1点上げるのに語学学校に1年通学するというのが通り相場ですから、7点というのがいかに高いか。年齢、職業、英語の三本柱のうち、年齢はタイムマシンがない限り点数UPするわけないし、職業点は大きな人生の枠組みに関わるから小刻みな改善など出来ません。そうなると、今からでも努力でなんとかなるのは英語だけです。逆に言えばそれすらも取りこぼすようでは話になりません。
上に述べたように、2011年7月以降は、独立移住永住権申請にはIELTS6点取ってなければ土俵にも登れません。そして加点エリアに7点のほかに、ついに8点(!)というレンジまで用意されています。8点なんか正直いって僕には想像つかないレベルです。野球に例えれば、6点というのは高校野球の野球部でレギュラーになり、地区大会でベスト8になるくらいのレベル、7点というのは甲子園にいけるくらいのレベル、8点というのは(おそらく)甲子園でも優勝を狙えたりプロが視野に入るくらいのレベル、じゃないでしょうか。ハンパないです。
ところで、やたら複雑な制度のせいでしょうか、移民局の現場でも実務処理をめぐって結構混乱してたりするそうですし、窓口レベルでいうことをあまり鵜呑みにしない方がいいでしょう。オーストラリアの処世術としては、「3回聞くまで(聞いても)安心するな」ですから。ですので、専門の業者さん、それも品質に信頼がおける日系の業者さんに聞く方が安全だと思います。
では、引き続いて生計の立てかた、さらに以上の所与の前提のもとにいかなる戦略を取ればいいのか、考えてみたいと思います。
→次(第二の関門:生計)につづく
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